【5つの疑問】飲食店の原価率と原価管理【利益改善のために】
「うちの店の原価管理、本当に大丈夫…?」
原材料高騰に負けない強い店舗を作るため、今すぐ見直すべき5つの疑問を徹底解説。大手外食の経営企画に10年務めた中小企業診断士が、あなたの店の利益を改善するヒントをQ&A形式でお届けします。
この記事はこんな人におすすめ!
- ✔「毎月しっかり売上はあるのに、なぜか手元に利益が残らない」と悩んでいる飲食店オーナー
- ✔原価管理の重要性は分かっているが、具体的に何から手をつければいいか分からない店長
- ✔食材費が高騰している今、お客様を失わずに原価率を下げる具体的なアプローチを知りたい方
- ✔「毎月の棚卸の時期だけバタバタして終わり」のどんぶり勘定から脱却したい経営者
Q1: 適正原価率ってどれくらい?

A.一般的には喫茶主体で20%台後半、レストランで30%台、ファストフードで40〜50%と言われています。
しかしこれは”世の中の平均がこれくらい”というだけの話あって、ご自身の事業にとって何が適正かというのはまた別の話になります。
ますます厳しくなる飲食店の競争環境で、お店を立ち上げ成長を続けるには、独自性を打ち出して集客し、ファンを広げていく必要があります。
そのためにはまず、業界平均が当たり前と思わずに、原価率を見直すことが重要です。
原価率30%の2つの意味
収益性の観点から結果を振り返るのに原価率は重要な指標となります。
しかし、事業の構想や設計にとってはかえって邪魔なものになりかねません。
a. 売価1000円の料理を30%の原価率で作る
b. 仕入れ300円の材料を調理して1000円で販売する

どちらも結果の原価率は30%です。
しかしどちらが皆さんの創業のストーリーや事業の構想に近いでしょうか。
aの売価1000円から話を始めれば、原価も経費に近い扱いとなるでしょう。
より安く仕入れ、より効率的に調理提供し、品質はギリギリまで落としていく。
そうして販促費や値引き原資を捻出し拡販していくのであればそれも良いでしょう。
一方で、bの仕入れ300円から話を始めれば、そこにどれだけの粗利、すなわち“付加価値”をつけられるかということになります。
仕入れや調理、販売方法の工夫で、この粗利をどれだけ付加できるかが思案のしどころとなります。
単品での工夫もありますが、これに数量を掛け合わせることで固定費の工夫も可能となるのです。
原価率発想から粗利高発想に切り替えることで、事業の構想の幅が広がり、独自性の表現も広がるのです。
このようにして、仕入れと粗利から、さらに人件費、賃料、その他経費と利益を含めて設計した時、自店舗にとって”適正な原価率”が出てくるのです。
Q2: 原価率が高すぎる!何から手をつければいいでしょう

A.まずは現場作業の確認から、次に数字の分解や調達方法の改善に取り掛かりましょう。
現場の確認を疎かにしたまま数字だけで判断したり、調達先との交渉などに向かっても経営の改善からは遠ざかってしまいます。
改善は早く大きな成果が見込まれるところから手をつけるべきですが、その見込み、早さと大きさを手早く感覚でつかむには現場が第一となります。
改善フローイメージ
Step 1|ギャップの把握
レシピから計算した「理論原価」と、棚卸から算出した「実際原価」のズレがどれくらいあるかを把握します。
Step 2|ロスの原因特定
ズレが大きい場合、調理ミスによる廃棄、ポーションエラー(大盛りグセ)、食材の腐敗など、現場のどこでロスが起きているかを特定します。
Step3|オペレーションの改善
マニュアルの再徹底、発注量の見直しなど、具体的な現場のアクションに落とし込みます。
5つの原価の問題
教科書的な分類はともかく、実践的に見た原価の問題は次の5つに分けられます。
- 現場作業の問題
間違った調理や保管作業によって余計な廃棄が発生していないか。
実作業経験のある方なら、この問題は整理・整頓・清掃の状態を見ることでおおよそ当たりをつけることができるでしょう。 - レシピ・マニュアルの問題
お客様のニーズに沿った分量あるいは提供時間になっているか。
テーブルの状態を観察することで問題を把握できるでしょう。提供が遅く手持ち無沙汰になっているお客様が目立ったり、あるいは食事後に食べ残しが見られないかに注目していきます。
このうち、提供時間の問題はキッチン作業の問題、ホール作業の問題とも関係してきますが、そもそも”ピークタイムにスムーズな提供が難しい調理工程になっている”ことも多いのです。 - 仕入れ規格の問題
最低発注ロットあるいは1包装の分量が適切か。
多くの食材は開封後冷蔵48時間が保管期限になることと思います。実際には平日1日で使い切れる分量ずつ(冷凍品の)解凍、開封、保管できなければ廃棄が発生することになるでしょう。
この問題を捉えるのに「食材廃棄表」をつけるのも良いのですが、開店前の冷蔵庫や閉店時のゴミ箱を見ることでより具体的に把握できます。 - メニューミックスの問題
高原価率商品と低原価率商品の出数バランスは適正か。
数値の分析と裏付けも必要ですが、ここでも現場から見ていきます。
お客様がどの商品を目掛けて来店されているか、テーブルの上でどのような組み合わせで食事を楽しんでいるのか観察が必要です。
もっとおすすめしたい商品があるのにテーブルの上は無難なメニューばかりになっていないでしょうか。あるいは売価設定に見直しの余地のある商品はないでしょうか。
そうやって現場での問題を見た上で、数値の分析による裏付けを行っていきます。 - 仕入れ単価の問題
仕入れ先と食材毎に仕入れ高の大きいものから検討していきます。
経営への影響が大きいもので相場よりも高く買っているものはないか、あるいはもっと単価を抑えられないか情報探索と交渉を行なっていきます。
このようにして問題を絞り込むことができたら、その問題に応じた改善を進めていきます。
最初にも述べましたが細かな問題に関わっている時間はありません。
最も大きく、早く、良い影響を見込める問題から手をつけることが先決です。
Q3: 仕入れ単価を下げたい!でもどうすればいいでしょう

A. まずは聞いて回ることから始めましょう
肉や魚、米など影響の大きいものを絞り込めたら、まず始めるのは”聞いて回ること”です。
食材の店舗での扱いと、流通上の扱いは別のものです。
産地の状況や流通コストの掛け方、相場の予想などの情報は一般に出回ることはありません。
その商品の流通に詳しい人に聞いて回るのが早道です。
その意味でも、既存の取引業者と良好な関係を作っていくこと、あるいは逆に、良好な関係を作れる業者と取引することが重要です。
詳しく教えてもらうこともできますし、メニューに適した安価な商材の提案などもらえるかもしれません。
また、流通業者にとって予想外のタイミング、予想外の量で発注が来ることとは大きなコストになります。
予め発注量と発注頻度の見通しを伝えたり、メニュー変更に際して新規食材や中止食材の情報を伝えることで良好な関係が築かれ、その後の価格交渉も進めやすくなるでしょう。
もしも取引先に対して規模の優位があれば、コンペなどによって単価を下げることもできるでしょう。しかし何度もできることではありませんし、昨今の原価高騰の影響もあって必ずしも下がるとは限りません。
そのため、取引先と良好な関係を作りよくコミュニケーションを取ることに、是非とも取り組んでいただきたいのです。
Q4: メニュー分析・メニューミックス分析の方法は?

A. 基本はレシピの原価率と売上構成比の掛け合わせから分析します
各メニューの「原価率×売上構成比」を“相乗積”と言いますが、この相乗積の分析を行います。
相乗積が大きいメニューは原価率への負担が大きいと言えます。
これらのメニューに代えておすすめできるものはないでしょうか。
また相乗積の小さいメニューで原価率が低く、もっと出数を伸ばせるものはないでしょうか。
気をつけていただきたいのは、単純に数字の大小だけ見て判断はできないということです。
原価率が高く相乗積も高い、しかしお客様の評価もまた非常に高いメニューかもしれません。
そういった商品の出数を抑えれば今度の客数を落とすことになりかねません。
あるいは原価率が低く売上構成比も低いものの、隠れた人気メニューがあるかもしれません。
そういった内容は数字だけで捉えることはできません。
店舗でお客様の様子を観察して掴んだ感覚、それに数字の大小を組み合わせて課題を具体化する必要があるのです。
Q5: 原価管理の仕組みをどうやって作るべきか
A. まずはPOSデータの分析と定期的なレポーティングを、商品開発や店舗業績管理の工程に組み込むことから始めましょう
最初から壮大な経営管理の仕組みを作ろうと身構える必要はありません。まずは、すでにお手元にある「POSデータの分析」や「定期的な分析・レポーティング」を、日々の「商品開発工程」や「店舗業績管理」のプロセスに自然に組み込むことからスタートします。
売れ筋・死に筋の単純な集計を越えて、メニューごとの粗利貢献度や時間帯別の稼働状況を定期的なレポートとして仕組み化する。これによって、日常の業務フローの中で「どのメニューが本当に利益を支えているのか」「どの店舗のどこに課題があるのか」が、客観的な数字として勝手に見えるようになっていきます。
それでも、
「日々の営業やトラブル対応に追われて、上がってきたレポートをじっくり読み解く時間がない」
「データから見えた課題を、どのように新商品や現場の店長たちの動きに落とし込めばいいか分からない」
……そんなふうに、一人で行うには限界を感じたときにこそ、飲食店専門コンサルタントであるNautical Star Strategy & Analysisをお役立てください。
私たちは、単に計画書や分析レポートを提出して終わりのコンサルタントではありません。データに基づいたレポーティングが貴社の「商品開発」や「店舗管理」の習慣として定着し、本部と現場が共通言語で自走できるようになるまで、貴社の”航海士”として徹底的に伴走します。
まとめ
自社だけで進めようとすると、「日々の営業が忙しくてレシピ作成が止まる」「スタッフが記録を面倒くさがって形骸化する」という壁に必ずぶつかります。
弊社のコンサルティングサービスでは、大手外食企業での10年の経験とデータ分析ノウハウを活かし、貴店のスタッフに負担をかけず、現場に定着する「わかりやすい原価管理システム」を短期間で構築します。
「どこから手をつければいいか分からない」という方は、まずは下部のフォームより、60分間の無料オンライン経営相談をご活用ください。現状の課題をヒアリングし、まず取り組むべき優先事項をお伝えします。
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